消費者心理 2020 6 14

書名 2025年、人は「買い物」をしなくなる(2019年11月21日出版)
著者 望月 智之  クロスメディア・パブリッシング

「買い物は、面倒くさい?」
 この本のタイトルは、誤解を招くかもしれません。
2025年になっても、おそらく、
消費者は「買い物」に類する行動はしているかもしれません。
 しかし、今のような「行動様式」ではないことは間違いないでしょう。
なぜならば、消費者の心理が劇的に変わりつつあるからです。
 確かに、買い物は、面倒くさいかもしれません。
まず、消費者は、買い物に行く前に着替えをしなければなりません。
女性ならば、化粧をする必要があるでしょう。
次に、電車やバスに乗って、あるいは自動車に乗ります。
 店に着いたら、商品を探して、商品を見つける。
そこで、類似品が多く、商品選択を迷うかもしれません。
 そして、レジスターに並ぶ。
自分の順番が来たら、会計をする。
 商品は買い物袋に入って、消費者は家路につく。
しかし、電車が遅れている。
やっと自宅近くの駅で降りたら、雨が降っていた。
 こうしてみると、買い物は大変ですね。
買い物には、多くの行動が含まれているでしょう。
消費者としては、どれかを省きたいと思うでしょう。
 さて、そのような消費者心理を目ざとく見抜き成功した企業があります。
たとえば、アメリカでは「Amazon」、日本では「楽天市場」でしょう。
自宅にいながら買い物ができます。
 確かに、消費者心理は劇的に変化して、
消費者は買い物を面倒くさがり、買い物をしなくなったかもしれません。
 昔話をしましょう。
田んぼの中で育った少年の私は、
ある時、ビートルズの音楽を聴きたいと思ったのです。
そこで、歌で英語の勉強をすると称して、
親から購入資金をもらって、街のレコード店に出かけたのです。
街のレコード店までは、自転車で1時間近くかかりました。
さすがに疲れました。
 さて、今の消費者だったら、どうするでしょうか。
おそらく、サブスクリプション(サブスク)を利用するでしょう。
一定の料金を毎月払って、スマホで何曲でも「聞き放題」でしょう。
 今の若者に、「昔は、レコード店でレコードを買った」と言っても、
それが何を意味しているのか理解できないでしょう。
レコード盤に音楽が録音してあると説明する必要があります。
 そして、音楽を聴きたいならば、
レコード盤を買いに行く必要をあると説明すると、
「そんなに面倒くさいのか」と思うでしょう。
 駅前のデパートや商店街が不景気になったのは、
郊外に巨大なショッピングモールができたからではありません。
消費者の心理が劇的に変わりつつあるからです。
 とりわけ、生まれた時からスマホを体験している、
「デジタル・ネイティブ世代」が消費者になったら、
劇的な変化が起こる可能性があります。
 しかし、それでも、彼らは「体験」を求めて外出するかもしれません。
だから、デジタル社会になっても、飲食店は残るでしょう。
なぜならば、「おいしかった」という体験ができるからです。
もちろん、体験ができる小売店もデジタル社会になっても残るでしょう。
そこに「感動」があれば、消費者は買い物に出かけるでしょう。
 そもそも、これは商売の基本だったはずです。
商品を陳列して売れるのを待つだけでは、商売とは言えないでしょう。

仮想空間へ出かけよう 2020 5 5

「現実空間と仮想空間の融合」
 私たちの生活の半分は、今までどおりだが、
残りの半分は、仮想空間へ移行していくかもしれません。

 私は、年を取ってきたせいか、
最近、大学生の頃をよく思い出す。
 あの頃は、オートバイで旅行をしていたものだ。
2ストローク・エンジンは、エンジンブレーキが利かない。
だから、減速もスムーズだ。
 あの角を曲がれば、田園風景が広がって、
徐々に山が近づいてくる。
やがて信州がやってくるだろう。
また、あの角に行ってみたい。
 これが「昭和の時代」だったら、
バイク屋に行って、HONDAのNSR250Rを買うのかもしれません。
 しかし、「令和の時代」は、仮想空間に移行している。
いや、現実空間と仮想空間が融合した世界に移行している。
 グーグルの検索サイトを立ち上げて、あの角の地名を検索する。
次は、「地図」をクリックする。
すると、画面に地図が広がる。
右下の人型のアイコンをクリックする。
地図の上をクリックすれば、ストリートビューが始まる。
 視線は、国道17号線をバイクで走っている気分だ。
ストリートビューで「左折」する。
昔と比べると、大きく変わってしまった。
 バイクで、よそ見をすると危険だが、
ストリートビューでは、じっくり、よそ見ができる。
この視線の高さは、正にバイクに乗っていた時の視線と同じになっている。
早くクリックすれば、バイクのようにスピード感が出る。
 さて、ストリートビューは、別の使い方ができます。
新しい街に引っ越しが決まった。
どんな街だろうか。
 昭和の時代だったら、地図を買ってきて、
「ここにスーパーがある、ここに本屋がある」となるでしょうが、
これもストリートビューで、引っ越し先の街を「散歩」できるのです。
 とりあえず、ストリートビューの中を歩いて、
引っ越しをしたら、現実空間の中を散歩すれば、
新しい街で道に迷うことはありません。
 これは、旅行でも使えるでしょう。
とりあえず、ストリートビューで「旅行」に行って、
次は、実際に電車やバスで旅行に行くのです。
 高齢者は、電車に乗って旅行に行くのも、おっくうかもしれません。
それならば、ストリートビューの中で、
若かった時に行った旅行先を行って、「思い出旅行」を体験できます。




































































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